『コメディ・ホラー
"13番街の住人"の少女吸血鬼
"マリ"役をSiaさんに・・、』


翌日の朝、情報番組で
私がコルドマン監督から役を
貰った事が伝えられた。

ラフィにご飯を与えて、
コーヒーとバーム・クーヘンを
齧りながらテレビを見てる。

続けてなに繋がりか、
華麗なジュードさんの
アジア・ツアーの
アツイ様子が映っていた。


『全国ツアーから相次いで
次回ヨーロッパツアーも
控えていると云う事で・・』


・・そうなんだ、
全然、知らなかった。


『Judeさんと云えば、
韓国の女優さんと深夜デートを
していたのを現地の新聞社に
撮られたようですね・・!
この写真なんですが・・。』


へー・・。

あらら、凄いハッキリと
撮られちゃって・・。

女の人はセクシー系で
ストレートロングの黒髪、
スレンダーな美人。

エステのCMにも出ている、
向こうでは
有名な人なんだそうだ。

私みたいなチンチクリンより
サマになってる。

どう見たって、
私と彼じゃ不釣合いだ。

この彼女と彼の方が
ちゃんと現実味がある。

お正月には戻って来るって
云ってたけど、残念ながら
当分は会えないかも・・・。


ピンポー・・ン・・


「・・あ!まだそんな格好で!
急いで下さいよ、
向こうでラフィの手続きに
時間が掛かるんですから!」

「用意は出来てます。
直ぐに着替えますから。」



こんなに早く迎えに来るとは。
急いで片付け二階へ上がる。



「専務、ラフィがまだ・・」

「解ってます、
ウ○チさせるんでしょ?」



私も昨日急遽決まった事だ。
取立てホヤホヤのパスポートと
当分の荷物を持って・・
空港に向うのだった。