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「・・・脅かすなよ。」



俺は専務から電話を貰い、
打ち上げを断って
慌てて戻って来ていた。

病院に着いたのは夜の10時前だ。

イビキをかいて寝てやがる
那須の寝顔を見た後で
暗い中、静か過ぎる廊下の
ベンチに座る専務の話を聞く。

恩田専務も余程慌てたに
違いない。
ヘア・スタイルも
はらりと乱れていた。

那須の傷は軽症ですんだ。
今日にでも帰って良いらしい。

だが、念の為今日は此処で
安静にさせておくことにした。



「宮田は指名手配に・・。」

「ヤケになったんでしょう。
もう、何処も彼女のネタは
買わなかったんでしょうね。」


「・・・・シアは?」

「ええ、隣の病室に。」



家に着いた救急隊員の話では
ずっと震えて、うわ言みたいに



"ごめんなさい、
ごめんなさい・・!"


そう云い続け・・那須から
離れようとしなかったそうだ。


彼の無事を伝えたが、
ヘタリ込んでしまって
酷い頭痛を訴えだしたのだ。

ショックだったろう・・
目の前で見てたんだから。

俺はその足で隣へ行き、
そっと掛け布団をずらしてみた。



「・・・居ないけど。」

「ええっ?」



布団には枕が入ってただけだ。