「こんな下衆の
下衆で、下衆な、週刊誌なんか
気にせんでエエから・・の?」


「会長・・・、
本当に申し訳ありません。」


「ほれ、うちの美人秘書と
一緒に先に食堂へ行っておいで。」



パタン・・。



シアさんは
少しも気を晴らしてはいない。

それでも・・
内心は我々同様に安堵しただろう。

彼女が悪い訳ではない。
子供は親を選べないのだから。

諸悪の根源は
女の誘惑に負けた・・あの男だ。



「・・やりますか。」

「当たり前だ、
誰を怒らせたと思っとる。」

「ふふ、時々
貴方が恐ろしくなりますよ。」

「大義名分もなくてはのぅ。
ふふ、解ってるンじゃろ? 」



まったくこの人は。

それは彼女の為だけの
名誉棄損でしょ?

賠償金みたいなモノなど
糞だと思ってるクセに。



「あの事だけは書かせては
ならん。まあ、
見せしめって事だのぅ。」



そう・・
シアさんの過去についてもだが、
それ以上食い付かれちゃまずい。

こうすれば他所の雑誌社も
恐ろしくて彼女のコトを
タブー視する事だろう。

私は個人的に云うなら
"見せしめ"って言葉は嫌いだ。

権力に溺れているみたいで・・
人の気持ちが失われる気がして。



「ええ・・、ご随意に。」