シアが居ないと云うだけで

たった三日
会えないと云うだけで・・

気が滅入ってるのは否めない。

その日の夜
たった今帰って来て、

ご飯を食べていた那須に
"ただいま"を云った所だった。

携帯をカウンターに、
サングラスを棚に、

お風呂場に向おうとしてた。




______ ♪~、♪♪~



「!!」



なぜか、
劇画タッチで振り返る俺。




ダダッ、ガツンッ、ガタッ!


両手で携帯を持ち、
慌てフタめいてしまう。


「イっ!  
なんだっ、メールかっ・・!」



ピッ・・!



「大丈夫ッスか? んな、慌てて
戻って来なくても。あーあ・・。」



那須は箸を咥えたまま、
呆れて俺の方に回り、
蹴って
コかしたイスを立ててくれていた。

メールはシアからである。




『こんばんわ。ジュードさん、

素敵な家具、驚きました。
わざわざ有難うございました。』




「・・えっ、それだけ?」



後から覗いてた奴が、



「ナハハー♪ ざぁんねんっ。」



とか、おフザケな笑い声を。



「あっ、痛いっ、ヤメテー!!」

「・・今・・何かあった?」

「何にも見てないです、ハイッ!」

「・・だよね。」




・・卍固めは痛いと決まっている。

箸を落とすまで悶絶させてやった。

キィの高い、バカっぽい笑い声が
俺の神経を逆撫でしたので、つい。

俺は気を
取り直し、そこで返信を打つ。




『My Thumbelina
(僕の親指姫)

今晩は、気に入ってくれた様で
嬉しいよ。君がゆっくり
くつろいでくれるなら幸いだな。

独りぼっちで眠れそうかい?
寂しいなら直ぐ! 戻っておいで』




・・・これって、王子っぽい?

ま、いいや。



「・・・・・・・・・。」



その夜、彼女からメールが
来ることはなかった・・。



ちゃっかり寝てたのかよっっ!!