火照った薄ピンクの肌を
胸に抱き寄せ
溜息を息づかいに混ぜて吐く。

そのうち彼女の呼吸も
落ち着いてきた。



「ごめんなさい、
ちょっと・・」

「着いて行こうか?」

「ん・・大丈夫です」



シャワーかトイレだ。
だが疼くのか、
なかなか立てないらしい。

シャツのボタンを留め、
やっとヨロヨロと
部屋を出てく後姿。



(  ムードに欠けるなぁ )



でもそれもまた
シアらしいっちゃ、
シアらしい。
ちょっと笑えた。

悪いのは俺なんだ。
つい、ナカで。

予想外な快感が
俺を驚かせ・・実は今も
その余韻に浸ってる。

あの容姿からはとても想像がつかない、
淫猥な軟体動物みたいな・・アッ。

ウブだな、俺。

思い出しだけなのにまた↑?



( 寝酒でも飲もうかな )



どうやらシャワーか。
トイレにしちゃ長い。
俺がキッチンでオレンジを
スリ下ろしてると彼女が
戻って来て足を止めた。


「美しくなる飲み物、飲む?」

「いい匂い・・。」


オレンジのホット・ワイン。
ビタミンCを壊さない様に
煮すぎない事。


「冷めないうちに」


小さいマグに2つ注いで
バーのイスに彼女を座らせた。



「頂きます・・、おいしい。」

「ふふ。女の子だね、
飲んだって事はキレイに
なりたいと思ってる?」


「前カノさんもとても綺麗
だったし・・いいですよね。」

「シアはそれ以上になれるよ。
綺麗になる2つの方法、
知りたくない?」



コクッと頷いて見せた。
ヨシヨシ。
そうこなくちゃ、
もっと積極的にさ。



「それを飲んで、ベッドに
潜ってイイコにしてたら、
教えてあげる。」

「罠じゃないですよ・・ね」



マグで口を隠してる彼女が
ボソリ。

別に嵌ったっていいじゃん!

だがシアは素直なイイコだ。
そんな事を言いつつ、
ちゃんとそうした。

だから俺も約束通り、
至ってシンプルな
"2つの方法"を
耳元で囁いてやったんだ。


聞いている余裕が
あったのかどうかは別。