「いい加減、上がったら?
ほら・・!」


シアはトリートメントも
しないウチに
湯船に身を隠していた。

背中を向けて首後ろまで赤い。

多分、俺が出るか湯船に
浸かるかを待ってたんだろう。

さすがに耐え切れなくなり、
手を出した俺の手を
掴んであがった。


「ちゃんとヘア・ケアしないと
ダメだ。ア・・な、なに?
このガサガサな髪はっ?」


ガビーン!
って、なるぐらいキシんでる。
俺はシアを鏡の前のイスに
座らせタオルを渡す。

まったく・・どんだけ放って
おいたんだ??

さては普段、
オイルで誤魔化してるな。


「シーグラスのマスコットが
これじゃ・・んっ!?シアっ?
お前のオデコ、なにこれっ!?」


自分のトリートメントを
塗ってやってると
額の小さなぶつぶつが
指に触れたんでビックリした。


「き、気付かなかった・・
酷いね!」


何も云い訳できず、
オデコを上げられたまま
俯いちゃってるし。

来た時はあんなにつるりんな
肌をしてたのに・・。
きっと、ストレスかなんかで
こんなになったに違いない。


「ちょっと、
いいから立ってみて」


恥かしがる彼女を立たせ、
全身をざっと見て見る。

胸の形、
オシリの上がり具合はイイ。
ちょっと、鎖骨が出て
女っぽい体になってきた。

不規則な仕事だから、
少し痩せたのか。



「女の子の体や肌の衰えって
すっごく早いんだ。ちゃんと
毎日、全身を鏡に映して
自分でチェックしないと。」


「はい」


シュンと蚊の泣くような声。
凹んだ?
だけど、酷いモンは酷い。

幸い、余分なお肉の心配は
ないけど酷くならないうちに
何とかしなきゃ・・。

と、云う訳で
風呂から上がって
即・エステに電話を入れて
本人だけ放り込んできたんだ。


「全身で。特に顔を。」


そう云い、コースを決めて
カードも渡した。


彼女は
自分に自信をつける為にも、
もっと女を磨かなきゃダメだ。

見た目だけでなく、内面もね。