『やば!寝ちゃった!!』 慌てて時計を見ると、まだ明け方の4時だった。 ゴホッ! そのまま寝てしまったせいか何だか風邪っぽかったけど、あたしは急いで着替えて、まだ薄暗い道を船が出る港の方へ向かって歩いた。 『あれって…。』 あたしは、港に向かって歩く彼を見つけて駆け寄った。 『ねぇ。』 あたしが話しかけると、 『何?』 彼は振り返り、首を傾げた。 『本当に今日、この町を出ていくの?』 あたしが尋ねると、 『あぁ…。もう、俺には何もする事がない……。』 うつむき加減に彼はこたえた。