『蓮。聞こえる?』

あたしが言うと、


『あぁ。』

返事が返ってきた。



『この階段の下までおりれれば、この女から逃れられる。それだけは思いだしたの。だから、意地でもこの下までおりきって…。』

蓮に伝えた。


『お前…は?お前も一緒に来るんだよな?』

蓮は振り返る。


『ちゃんと後から行くから(笑)この階段ね、かなり長いからおりきるまでに時間かかるんだ…だから、急いで。』

蓮に笑いかけて、あたしは後ろ向きに階段をおりた。