『で、一応言っとくと、俺の名前は水瀬 蓮。』

椅子に座ると、彼は言った。


『あ…あたしは石田景子。』

あたしも慌てて名乗った。



『聞いていい…?蓮。』

顔を覗き込むと、


『あぁ。』

蓮はあたしを見た。



『どうして、旅なんてしてるの?』

首を傾げると、


『さっきも言ったように、俺には、それしか出来ないからだよ。』


サラッと流して、鞄からおにぎりを取りだし頬張ると、


『お前も食うか?』

そう言って、あたしにもおにぎりを手渡した。