荊姫~第二章~

「とりあえず状況確認を……」

紫恩がユキの手を離して動き出そうとすると

「……状況確認も、場所探しもしなくていいよ」

ユキが紫恩の手を握り引き止めた

「…なんでだ?状況確認さっさとして裂を探さねぇと…」

「大丈夫だよ……」

「俺たちがもう全部やってある」

急ごうとする紫恩をユキと背後の誰かの声がなだめた

三人がそっちを見ると

ユキの夢(?)に出てきた少年と

鶯色の髪にこげ茶色の瞳をした推定14歳ぐらいの少女がいた

「………『千沙(チサ)』?」

「誄華姉さん!!」

千沙と呼ばれた少女は誄華に抱きついた

「…姉さん!?」

紫恩は驚いて誄華をガン見していた

「……あんたよくあんな芝居できたね、シン」

「うるせぇよ、けっこう恥ずかしんだぞ、アレ」

「でも結構ノリノリだったね」

「……うっせぇ…」

ユキとシンと呼ばれた男はユキと何やら話していた