荊姫~第二章~

「させるかっ!!」

紫恩と誄華は裂に駆け寄ろうとした

だが

「っな!?」

足は地面にくっついたかのように動かなかった

「紫恩、誄華!!」

「くそっ…動けよっ」

「主、裂殿を!!」

「…っ」

ユキは蔦を自分に巻きつけ裂の傍まで行き、手を伸ばした

「(あと少し……っ)」

だが

手はわずかに届かず

裂はエイラと共に魔法陣に呑まれた

エイラが消えると、紫恩たちの足が動いた

「………くそっ」

紫恩は近くにあったレンガを蹴った

「っ~~~」

だがあまりの痛さにうずくまってしまった

「……馬鹿だ」

誄華はぽそっと言った