荊姫~第二章~

だが

足は動こうとしない

「動いて…お願い…動いてっ」

必死に動かそうとしても足は一ミリも動かない

「お願いっ……もう見たくないの…裂が傷つくのはもう見たくないのっ…」

どんあにユキが頼んでも足は鉛のように重い

「……足手まといはもう嫌なの!!」

『ならば解き放て、己の奥深くに眠るものを』

ユキが泣き叫ぶように言うと

どこからか声が聞こえてきた

「……え…?」

『お前が望めば解き放てるはずだ』

「私の奥深くに眠るもの?……それって私の記憶?」

『それは分からない、だが、それを解き放てばお前は力を手に入れることが出来る』

「力を……」

ユキは目を輝かせた

「本当に?」

『ああ…お前が望めばな』

ユキは嬉しそうな表情をした