荊姫~第二章~

「裂……」

ユキはただ、列の背中を見ていることしか出来なかった

「……私…足手まといになってるのかな……」

ユキは俯いて溢れそうになる涙をこらえた

キィンッキィンッ

少しはなれたところで

剣と剣がぶつかり合う音が聞こえる

「……私…何も出来てないっ…」

ユキは顔を覆った

だが

ドサッ

「クスクス……もう終わり?」

「くっ…!!」

裂が地面に倒れる音を聞き

顔を上げた

「裂!!」

「クスクス……大事な人を守りきれずに死ぬ…どれほどの屈辱だろうね?」

「くっ……」

ユキはエイラと裂を見て

立ち上がろうとした