荊姫~第二章~

「ユキ!!」

ユキが謝っていると

後ろから息を切らせた裂が駆け寄ってきた

「……れ…つ…っ」

「大丈夫か?怪我はないか?」

「ぅ……うぅっ……」

ユキは裂に抱きついた

「!?」

裂は急なことに驚いていたが

泣くのを我慢しているようなユキの様子を見て

ただ黙って頭を撫でた

「……私…助けられませんでした」

ユキはぽつりと震えた声で言った

「………今度は絶対助けるって誓ったのに…っ」

裂は震えるユキを見て

苦しそうに顔を歪めた