川上は谷田にまりは?と聞くのが週間になっていた。

お部屋に居ますよ、お食事の用意は出来て居ますので呼んできましょうか?

少し考えて、
俺が行く
そう言ってカバンとスーツを谷田に渡し、2階に上がった。
扉を開けると部屋は真っ暗だった。名前を呼んでも声はしない。月明かりが部屋に入り影を作った。ベッドを見ると、まりは丸まって寝ていた。
猫みたいだった。

触っても起きずに微動だにしなかった。
少し長いキスを落とす。
まりの呼吸が乱れていくのがわかり、さすがに起きるだろうと思ったが、まりはキスを辞めずに眠りの中、川上の首に手を廻した。

激しくなるキスは水に潜る一瞬のように儚かった。

川上を抱き締めてまりは言ったのだ。

好きよ、

顔を伝う涙が月の明かりで確認した。






好きよ、大輔

その言葉に川上は顔を離した。

まりは気付いてなく、目を擦りながらなんで此処に居るのーとあくびをした。下に食事の用意がしてあるから行こうと言うと、
何事もなかったかのように部屋を出ていった。


あと数日なんだ、まりを責めるのはやめた。