白いワンピースを着て


そんなに高くないヒールを履いて
谷田さんの運転する車に乗り込んだ。

待ち合わせは20時にロビー

車内は重々しい空気が漂った。

谷田さんは、許せない人て居ますか?

ミラーで確認するかのように見て言った。
そうですね・・・。今は居ません

昔は居ました?

えぇ、まあ

沈黙が続き信号が赤に変わった。
許せました?
真っ赤な口紅が不気味だった。

許せました。・・・人を恨むのはとても疲れます
口数は二人とも少なかった。


私も許せるかな

信号は青に変わった。谷田さんは何も言わなかった。

街のネオンが綺麗だった。

山内に今から会いにいく。
私は山内を闇から引きずり出してみせる。
川上の為じゃない。
山内の為。




川上は、まりの部屋をノックした。
まりー、ご飯食べないの?
部屋は空虚だった。
名前を呼んでもいないようだった。電気をつけて部屋に入った。

何処に言ったんだ?

目についたのは薄いピンクのあのドレスだった。


綺麗だよ

触って確かめた。