時計の針は13時を廻るところだった、今日は1日が長い。

2週間、俺の家で過ごしてほしい

はぁ・・・。とりあえずさ、いちいち驚くの嫌だから全て言っちゃってくれる?

ん?ああ、わかった、2週間俺の家で過ごす。
日の山のパーティー他何個かパーティーに出てほしい、
服はこちらで用意するよ。
あとはー、パーティー以外で仕事はないから何でもしてていい。
その分拘束はしてるからちゃんと20万給料は払う。
んー、あとは俺の奥さんってこと前提で、な?

う、うん。なんか待遇やけにいいね、私に出来るのかな。マナーとかなってないし・・・

平気だよ。明日また迎えに来るから、それまでに必要なものをまとめといてよ。ほとんどは揃ってると思うから最低限でいいよ

川上の顔を見ながら思った。これは授業でみた映画にそっくりだった。
まだ川上を信じたわけじゃないけど、
明日からの自分に胸が騒いだ。

じゃあ、また金曜の11時には迎えに来るから
そういうとサッサと帰って行った。

奥さん、かあ・・・
呟いて玄関のドアをしめて鍵を締めた。
リビングに戻ると煙草を1本ゆっくり体に入れ込んだ。


あ、煙草も2週間吸えないか
川上は吸わないみたいだもんね。

携帯が鳴った。数少ない私の友人。
裕子からだった。明日お茶しようと言われた。お金ない事を言うと
奢るからと言われた。きっと払ってまで話したいことがあるのだろう。

携帯を切った。

携帯にはたくさんの情報が詰め込まれすぎている
聞かなくていいことまで私の場所に届いてしまう。
どんどん文句が増えて器の小さい人間になってしまう気がして嫌だった。

金曜から2週間携帯は持たないことに決めた。