足早に進んだ。見た目いたずら好きな顔してたから仕返しが少し怖かった。

おれはー!
後ろで声が聞こえた。

おれはー!かーわーかーみーゆーうーとー!川上勇人!

は?という顔が隠しきれなかった。

あんたに頼みたい仕事は、ただ俺の横で笑ってりゃいい仕事だ!
体も売らないし、難しいことはない!

また近くなった男との距離。
まりだからこそ頼む仕事なんだ


そういう存在、久しくなってなかったから、心が震えた。

どう?やらないか?嫌になったらいつでも辞めていい。お金はちゃんと払う


蝉が鳴き始めた
夏の始まりだ
向日葵は上を向いて
水が輝きだす

まりがやっと口を開いた。

かわかみゆうと。給料は前払いしてくれる?

そう言うと男は笑みを浮かべながら頷いた。


私は、2週間で20万稼げる仕事を見つけた。
自宅にまた二人で戻ってきた。
やると言ったものの、横で笑って居やがる川上という男を信頼したわけではなかった。

煙草に火をつけた。川上に いる?と言ったが吸わないようだった。
音楽は決まって心に響くロックをipodをスピーカーに繋ぎ、流した。

まりの趣味?うるさくて話ができないよ
嫌いなようだった。

煙草を加えながらボーッとして
私の趣味だよ。かっこいいでしょ?
そう言うと川上は嫌な顔をした。
1曲終わったその時に電源を落とした。

こんなだよ。本当の私。それでいいの?
男は頷いた。

じゃあさ、詳しく教えてよ。バイト内容?
煙草を消した。

俺と一緒に日の山会社主宰のパーティーに来てほしいんだ

は?
耳を疑った。

だからパーティーに・・・

じゃなくて!日の山って・・・
ちょーちょー大手じゃん!あんたっ何者?

日の山と提携してる会社で働いてるんだ


ショックすぎる。キョトンとしてしまった。やっぱ辞めようかな・・・。

次の企画をどうしても成功させたいんだ、つーか言ってなかったけ?山敦って貿易の会社。うちの親父が社長なんだ。


一瞬全てが止まった。とんだ問題に巻き込まれてしまった。山敦も同様に果てしなく大きい企業だ。

ベットに倒れて考えた。


・・・無理…かも・・・