「本文:
高倉まり 様

お世話になっております。
アルバイトの件で、面接日程の調整中だったかと思いますが、
あいにくこの度,募集のほうが定員に達した関係で締め切られてしまいましたので、
誠に申し訳ございませんが面接を見送らせていただければと思います。

何卒事情をお察しくださり、悪しからずご了承くださいませ。
ご送付頂きました履歴書は、当方で責任を持ちまして破棄させて頂きますので宜しくお願い致します。

今後のご健勝ご活躍を心よりお祈り申し上げます。

・・・」

今はバイトも探している。一人暮らしでバイトしてないのは辛い。
家賃などはお母さんが出してくれてる。族に言う親の脛かじりだ。
私の親はシングルマザーだ。私が高校生の時、母はお金持ちのおじさんと再婚した。
おじさんの家は豪邸でおじさんと意思疎通が出来なくて高2から一人暮らしを始めた。
申し訳なく思っているのか母経由でお金が私の通帳に振り込まれるのであった。
いつまでもこんなんじゃだめだって、わかっているのだけど…。



メールを見返し、とっても丁寧な本文に腹が煮え繰り返った。
遠回しに、貴方は必要ないですよ。場違いなとこ受けるんじゃねえ。
と言われてるみたいで すぐに消したくなった。



削除のボタンでぐっと堪えた。

私に魅力がないのだ、
だからバイトも出来ない。
前のバイトを辞めてから
3ヶ月が経とうとしている。
未だに次が決まらない。

魅力。
それはとても難しく
普通に働いている人達がすごいと思った


魅力とはなんだろう?
犬と同じレベルの私。もちろん彼氏はいない。人をちゃんと好きになったこともない。

金の切れ目は縁の切れ目とは
こうゆうことだ。きっと母ともお金がなかったら切れていただろう。
周りを纏っていた友人達とも
遊ぶ費用などこれぽっちも
ないのだから、最近誰とも会わなくなった。

SNSで更新される皆の日記は派手で若々しかった。
会っていなくても現状がわかってしまう。
なんだか悔しかった。

いっそ全て断ち切りたくなった。
携帯も折ったりして。


結局、魅力がないから臆病者になり
何も出来ないのだけれど。