ビューラーで睫毛が目蓋に着くぐらい
ぐっと上げた

マスカラで塗り固められた睫毛は少し重そうだった

化粧が終わると窓越しに空を見てため息をついた。

真花は最近、変わった。何処か幸せそうにみえる。けれどあの子から言うまで聞かないことにしている

聞いてほしい話ならもうじき話してくれるだろうから催促はしない

和也と順調なのだろうか?

そんな事を思っていると、
外を歩く和也の姿を発見した

飲み会で数回一緒に居ただけだけれど、何故か躊躇いもなく
名前を上から呼んだ。


和也はこっちを見ると少し考えて思い出したかのように笑顔で手を振った


和也さあ、真花と今どうなってるの?
と叫ぶと焦った顔をして苦笑いを浮かべた。

言いたくなさそうに何かぶつぶつ言っていた。

えっ?聞こえない!
と耳を傾ける。

美優の髪がさらり、と垂れた。



もう別れたよー!
と和也は叫ぶと歩いていった。
どうやら注目されて恥ずかしいらしい。


美優は少し遅れて奇声やら悲鳴やらなんだかわからない声をあげた



和也と別れたのっ!?
心で自分に問い掛けてみたら
なんだか虚しくなった。