和也は怒りに震えていた。
いっそのこと
殴ってほしかった。

こんな糞女、本気じゃなかったしって言ってほしかった。

その手で突き飛ばしてほしかった。

本当に私はバカなんだって

人の気持ちもわからない
ただのバカなんだって。

ようやく気付いたの?

涙が出たくもないのに
出た。

和也と別れるのが嫌で泣いているんじゃない、

恐怖に押し潰されそうだった。

口から出ていたのは、謝罪の言葉だった。



ごめんね、ごめん
最悪でごめん。

わかってたよ、真花が俺のこと好きじゃないんだろうなって。思ってた。

そう言うと悲しく笑った。

私はとんでもない過ちを
してしまった。


おれば、真花には幸せになってほしいな。ありがとう、今まで。


自分の発した言葉に後悔を覚えた。和也を傷つけてしまった



和也、ありがとう。

と言うと
和也は歩きだした。後ろを振り向かない



もう和也は

私のじゃない