張り詰めていた糸が
少し緩んだけれど、
次の日、
学校に行くと
ピンと張った糸は
修復されていた。



和也は優しい。
だから悔しかった。
和也はいつだって心配してくれるだから傷つけたいと思った。
和也は私を好きでいてくれた。
だから怖かった。



和也の優しさが怖かった

いらだちはつのり、ついに和也を呼び止めた。






私ね、他に付き合ってた人居たの。和也と付き合う前からずっと

そう言うと今まで見たことのない和也がそこに居た。
今までの笑顔は消え、手が少し震えていた。


そいつの事好きなの?

ほんとは怖かった。真実を言うことが。別に和也のことなんか好きじゃなかったけど、悲しくなった。


うぅん。好きじゃなかった。ああ、もう別れたの

和也の顔が安堵の塊になる。それが嫌いだった。
自分の心に余裕が出来たから
無理に笑顔作って少し安心するのだ。
だから言った
もうこの言葉しかないと思った。










私ね、和也も好きじゃないの。