都の春




〜靖仁親王side〜











春菜の返事。





『宮さん、うちは…』





聴かなくても先は分かった。








でも、切なくて…











「明日の夜は…

まだ私と過ごして欲しい。



木の下に行くのは明後日にしてくれないか?」









春菜は微笑んで

『宮さんが、お望みなら。


うちは、宮さんの気持ちに添えんかったんどすから、それぐらいなら…』






「ありがとう。

最後までわがままで、すまないね」








『いいえ…

頼みが一つ…


春香様、中宮様に逢えませんか?』















「えっ!!






春香に…」









.