都の春




〜春菜side〜





誰かが部屋に入って来はった。







《少納言にございます。
権中納言様の御尽力で中宮様に面会が可能になりました。

今から中宮様に会えるそうにございます》




「本当どすか!
嬉しい」





《あの…
お願いがあるのですが、お着替えをして頂けますか?
中宮様にお会いするのですから…》




「そうどすね。
わかりました…


でも、うちは何を着たらええどすか?」




うちがそう聞くと少納言殿に…




《私がお見立ていたします》 と言い、颯爽と動き出さはりました。







《こちらはどうでしょう?》 そう言って差し出された着物は…


上質な生地で作られながらも、可愛らしさを残した着物どした。




「可愛らしい…

ありがとうございます」







すると… 少納言殿は、



《それが私の仕事ですから…
主を引き立て、お支えするのです。

権中納言様は、幼い頃より感情を露わにされる事がすくのうございました。

しかし、あなた様が来られてからは…

微笑まれたり、悩まれたりと何やら楽しそうで嬉しく思っております》



「うちなんかたいした事は何もできません。

ただ宮さんのそばに…」









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