都の春





『その人が君に会いたがっている。

会ってやってほしいんだが…



中宮様に面会を宮中で求めると色々大変だから、里屋敷に戻ってきて欲しかったんだ。。


私の勝手で…

君には迷惑を掛けたね』











「いいえ…

そんな事は、ありません。


宮中の後宮(帝の妻達の住まい)は退屈ですもの…





若宮は可愛らしゅうて、帝はお優しい……

私は幸せものです。












そうだわ。。


今から、そのお方にお会いしましょう…



兄上、お連れして下さいまし…」








『い、いいのかい?』









「もちろんですわ。

私がお会いしたいのですから」











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