リュックすら下ろさずに、ひたすら名前を探した。 「……!こいつ………」 手を止めたエントリーリストの中レディスクラスの真ん中辺りに名前を見つけた。 『#.31 風間千空』 この間、俺もレースを見に行ったから覚えてる。 こいつ、先頭集団にいた。 表彰台こそ上がれなかったけど、いい線行ってた。 千空《あいつ》だったのか……。 半ばがっくりと肩を落としながらため息を吐いた。 例え男といえど、かれこれ2年くらい戦線を離れているから、少し不安……。