俺は、陸の方にも目をやりながら曖昧な返事をした。 「……それは何?晴季は俺に喧嘩売ってんの?」 「や、違うって。けどさぁ、陸、お前……」 屋上の柵にもたれながら、淡々と喋る陸に恐々と晴季が言い返す。 そろっとやばいな、と薄々感じていた。 陸は、女癖が悪い以上に、短気で喧嘩っぱやいので有名、だったから。 「晴季。」 俺が言うよりも早く、神(ジン)が止めた。 さすが幼なじみは、察しがいい。 「それ以上喧嘩……なるから。」