車は学園の中央の綺麗な建物の前で止まった。
「はーい降りてぇ」と言われて車から降り
「はーい着いてきてぇ」と言われて由里亜のあとに続く。
どっしりとした感じの赤茶のレンガの壁の外観のこの洋風な建物は、どうやら本部的な建物らしく
中を歩いていると大人しか見かけない。
しかもみんな、由里亜を見ては頭を下げている。
しかしそんなことにはおかまいなしでズンズンと進んでいく由里亜に、着いていくのが精一杯のあたし。
だからか、いきなり止まったユアンの背中に顔をぶつけるハメになる。
「ぶっ!!!!」
「杏樹、痛いんだけど」
「あたしの方が痛いよ!!いきなり止まらないでよ」
「や、ちゃんと着いてきてるかと思って」
「はあ?」
「はいはいお2人さん、着きましたよー」
由里亜はあたし達を見ておかしそうに笑うと
目の前にある大きなドアを開けた。


