スーツケースを降ろして
ガラス張りの窓から見える青空を見つめる。


そして、日本に来たら必ず言おうと思っていた


“ただいま”の言葉


ようやく日本語が話せることが嬉しくてたまらなかったあたしは


すぅっと息を吸い込んだ。



そして…!!!



「ただいっ…

《バコーーーンッッ!!!》










――――――っ!!!!!



「ただいまぁ」と叫ぼうとしたあたしの後頭部に走る、激痛。



相当…というか、かなり痛い!!!


「~~~~~っ」


痛みに悶えながら手で触ってみると、なんかポコッて膨らんでるし…



あたしは前屈みになっていた体を、ゆっくりと起こした。






「………っこの!!!!」




あたしに向かってこんなことができる人間なんて、1人しかいない。



「ユアンっ!!!」



涙目ながらもキッと振り向けば



あきらかに目立つ金髪青目の外人クン。


あたしの幼なじみであるユアンがハリセンを持って立っていた。