「奪っちゃいなよ!」




少し興奮気味に言う沙希の勢いに負けそうになる。



略奪なんて……したくない。
だって、自分がもしされたら…って考えると嫌だもん。





「嫌だよ、奪うなんて。ま、その前に彼女さんには叶わないよね」




ジンジャエールを飲んでから、窓の外を眺める。




「ダメだね、心は!」



ジロッと睨まれて、すいません…なんて言ってしまった。




「沙希はすごすぎるよ……雅樹くんとは上手くいってる?」



「もちろんだよー!」




声のトーンも上がって、周りにはハートが見えるんじゃないかってくらい乙女モード突入。