「恋愛なんてなぁ、そんな上手くいったら面白くねぇんだよ」




「何でそんな上から目線なわけ!?」



イラッとして、お兄ちゃんを叩き返した。





「俺らだって、色々あったんだから。なあ?」



お兄ちゃんの問いかけに、苦笑いして頷いた知香ちゃん。





そんなこと全然しらなかった。
知香ちゃんからも、もちろんお兄ちゃんからもそんな話は聞いたことなかった。





「知らなかっただろ?」




「……うん」




「知香子の言った通り、相手が上手くいってるかわかんねえんだから。
お前も苦労しろ!」




バカにしたような言い方だけど、救いの言葉に聞こえた。