「この話を元にして出来たのが、ユベスクの日。 ‥こんなに切ない話が、今は男が想いを寄せる女に気持ちを伝える、大切な日になったのね」 「‥‥‥‥」 「まぁまぁ、どうしたの?」 瀬遥の頬には、一条の涙が流れていた。 自身でも分からない、表現出来ない、もどかしい気持ちが溢れていた。 涙を拭いながら、名も無い孤児のような感情に名前を与えるためによく考える。