――ガチャ 屋上の扉を開けると、強い風に出迎えられた。 ……帰りたい。 今すぐ帰って昼飯を食べたい… あ、和紀に食べられたんだっけ。 「ひっく…うっ……」 風の音に紛れて聞こえてくるのはか細い泣き声。 風で暴れてうざったい前髪をかきあげながら姿の見えない彼女に声をかける。 「…宮古塚さん」 「ひっく…」 「……いないんですか?」 「ふっ…う……ひっく」 「じゃ、帰りま…」 「ひっく!!!!!!! …うっ!!…ひっく!!!」 「………」