亜莉子達は長い廊下を通って、大きな扉の前まで来た。
“コンコンッ”
「女王様、連れて参りました。」
ハクトが扉の向こう側に話し掛けた。
「通せ。」
声が聞こえた後、両開きの扉が内側から開かれる。
亜莉子達は中へと入っていった。
そこは、とても広く、ゴージャスなシャンデリアで照らされた金色が眩しかった。
部屋、と言っていいのかわからない所だ。
その1番奥に、女王は椅子に腰掛けていた。
…といっても、こちらからは女王の姿は影しか見えない。
女王と亜莉子達は、純白のベールで隔てられていた。
「女王様、こちらがアリスです。」
ハクトが亜莉子を見て言った。
慌てて亜莉子はお辞儀をする。
なんか、じーっと見られてる気が…。見えないんだけど。
「そなた、アリスと申したか。」
「ー…っ、は、はい。」
「この世界の者ではないそうな。」
「…はい。」
とりあえず、はい、と答えれば大丈夫なんだよね…?
緊張でドキドキしている。
次は何を言われるのか、怖い。
だって、相手は女王様なんだもんっ!!
そんな事を思いながら、亜莉子は女王の質問に答えていった。
