その時、急に視界が開けた。

「着きましたよ。」

亜莉子の目の前にはかなり大きな扉があった。

扉の両脇には門番らしき人が立っている。

門番の一人がこちらに気付き、頭を下げて扉を開けた。

亜莉子たちはその扉の中へ入った。


「すごいっ、きれい…。」

思わず亜莉子は呟いた。

城の内装は金色。
薔薇があちこちに飾ってある。
シャンデリアは直径1㍍以上ありそうだ。

「チェシャ、私は女王に謁見を申し込んできますので
アリスをよろしくお願いします。」

そういうと、ハクトはどこかへ行ってしまった。


チェシャは無言で歩き出した。
そのあとを亜莉子はついていった。

ある部屋の前で止まると、その中に入っていく。
亜莉子も中に入った。


この部屋は客間のようだった。