突然告げられた言葉にドキリとした。 まさか、引きとめられるとは思ってなかったから。 彼を励ますつもりで、たち直させるつもりで来たのに、これじゃどっちが励まされてるんだかわからない。 “待ってるよ。 王子様” 思わず泣きそうになって、だけど涙は見られたくなくって、彼に背を向けて海へと入って行った。 彼が待ってろというのなら、私は表彰台の上で待っていよう。 自分もその台から落とされぬよう、走ることだけを考えて、最後まで走り抜こう。 最後の決戦はすぐそこまで迫っている。