走り終わって顔を上げると、 “1位、桜花女子校、桜木詩音 2位、桜田高校、磯辺真紀 3位、―――” アナウンスと共に電光掲示板に現れる自分の名前。 一安心というよりも、とにかく、嬉しかった。 だって、これで次の大会への切符を手にしたんだから。 皆の所に戻ると、由貴がハグしてくれた。 “良かったね、詩音” “うん、ってか由貴。私今汗かいてるから臭いよ?” “うん?詩音の汗の匂いなら良い匂いだから大丈夫” “うっわ、やめろよその変態的発言” “そうそう。詩音も離れた方が良いよ”