“まさか。できませんよ?やっぱり男嫌いなのは相変わらずだし、私いつもジャージなので男か女かも分からないような格好ですし”

“やっぱまだ怖いん?”

“まだ少し。 でもでも先輩の弟は大丈夫ですよ?さすがですね”

“えっ?何かあるんですか?”

“うん?それは本人から聞いてごらん?”

そんなたわいもない話をして、彼には手紙を残して帰った。

――もしも、私が表彰台に上がったら、また見つけてくれますか?――

この際だから、正体がバレルかもしれないようなことを書いておく。