だって、その気になる子は、私じゃない誰か。 それが、たとえ‘マリン’だとしても、それは私じゃない架空の人魚姫。 “お前は?” “私?いるわけないじゃない。見たでしょ?さっきの。私に群がる奴なんて、顔と体しか見てない。 あんたぐらいだよ?何も期待しないで助けてくれるの” “ふーん、そりゃ良かった。じゃあ、俺にもチャンスはあるんだ?” “ん?何の?ってか、手なんかつないじゃっていいの?その子に見られたら誤解されちゃうんじゃない?”