私の手はしっかりと彼の手に握られている。 “ねえ、今彼女いるの?” 私は唐突に聞いた。 だって、気になったんだもん。 こんなふうに手なんかつないでたら、私たちまるで・・・ “いないよ。気になる子ならいるけどね” “ふーん。そうなんだ” 私は、‘いない’と聞いて喜ぶ自分と、‘気になる子がいる’と聞いてがっかりする自分がいることに気がついた。