“安心しろよ、俺は何もしねーから。ほら、カバンかせ” “・・・ありがとう” 彼は私の不安に気づいたのか、そう言う。 だから、素直に従った。 だって、いろんなことがあったあとで、一人きりになるのが嫌だったから。 “ねえ、なんでそんなに濡れてるの?” “ん?今まで走ってたから” “また自主練?” “うん。最近タイム伸びなくってね” 私たちは、とりとめもない話をしながら歩いた。