“ふーん。っで、
どんな奴だったの?”

突然彼の苛立ったような声が聞こえる。

“えっ?”


“だから、どんな奴だったのかって聞いてんの”


彼の荒い言葉に驚いたが、私は静かに答えた。

あーあ、絶対に今、顔真っ赤だよ・・・。


“まっすぐな人よ。直みたいに、いつも一生懸命で、ひた向きに努力をする人。中学時代、私が部活中に倒れた時、なんの見返りも求めずに助けてくれたぐらい、優しい人”


ここまで言ったら、私の正体はばれてしまうだろうか?


“ねぇ、何部だったの?”

ほらね、案の定彼はそう尋ねる。