いざ、競技が始まると、私はめちゃくちゃ珍しがられる。


“ねぇ、あなた、高校からでしょ?陸上”

“うん。中学まではバレーやってたの”

“ふーん、やっと自分代になって、大会出れたんだ。初めてで全国ってすごいね。まあ、せいぜい頑張って?”


なんだか、ものすごく感じの悪い子だった。



・・・、絶対に負けないから。


“位置について、用意”


パーン!


と乾いた銃声とともに走り出すと、感じの悪い女は、必死で私についてくる。



でも途中、彼女はどんどん遅れ、完全に私の視界から消えた。