気がつくと、私はホテルにいた。


“詩音、早く起きて。開会式に行くよ”

“えっ?”

“えっ?じゃなくて。とにかく時間無いから”


そう。由貴の言うとおり、とにかく時間がなくて、大慌てで着替えて会場に行った。



“ねぇ、由貴?私どうやってここまで来たの?”

“ああ、それね。詩音酔ってて起きないから、友達に手伝ってもらったの”

“はっ?だって私重いじゃん?”

“いや、あんた軽いから”

“うそ・・・。あっ、ありがとうって伝えといて”

“了解。あっ、そう言えば、長谷川直って知ってる?”

“・・・?先輩の弟?”

そう言いながら、赤くなるのを感じた。