“ハイハイって、知佳食べ方汚い。ここパブリックプレイスなんだけど?”


“うっわ、ホント汚い。ってか詩音も中途半端な英語使うな!”


“え~っ、そんなこと気にしてるとはげちゃうぞ、由貴”



“ったく。ほら、知佳電車やばいよ。じゃあね、2人とも明日頑張ってね”


“んー、ありがとう”


“じゃ、またねー”


これが桜女の日常。

今日もまた同じ生活を送ると思っていたのに、駅であの人を見つけた。


だけど、向こうは気づかなかったらしく、素通りして行った。


どれくらいぼーっとしていたのだろう。由貴に声をかけられて、ハッとした。



“大丈夫?”


“うん、ごめんね”


“いいけど、ねぇ詩音って好きな人いる?”