“見たか?桜木詩音だっけ、あの人形姫”


“あぁ、人形姫でしょ?あの子、表情なくて怖いよね”


“やめろって、あいつに近づくと呪われるぜ?”


…わかってるよ?


みーんな、詩音のこと、人形だと思ってることなんて。



だから、誰も信じない。


利用されるのなんて、目に見えてるじゃない。


裏切られるのなんて、目に見えてるじゃない。



だったら、私は、一人で生きて行く。



それなのに、どうしてだろう?


“気がついた?”


貴方はなんの見返りも求めずに、助けてくれた。