追い打ちをかけるかのように直からの一言。

“冗談でしょ?”

“本気”

ヤダよ、初めてがこんなところなんて。
しかも、受験前の大事な時期なのに。

そんな考えも虚しく、首筋に唇を落とされ、身震いする。

“ヤダァ。そういうことは大学決まってからにしてよ。今日はこれで許して”

そう言って、自らキスをした。

その後、直の顔色をうかがっていると、

“プッ、詩音可愛い。大学合格まで待ってるから。とりあえずごちそうさま”

“うっわ、直騙した!”

“だって詩音面白いんだもん。ほら、早く着替えて帰ったら勉強だろ?”

“分かってるから。ちょっと待ってて”

もう、本当に恥ずかしかったんだから!!

人の気も知らないで。