指定された場所に行くと、もうすでに直はいた。

暫く待っているようで心なしかイライラしているように見える。


“遅いっ!ったくいつまで・・・”

私の足音に気がついたのか、振り返ってそう言いかける。

“ゴメン、人違い”

私のことを目にすると、驚いたように謝った。

“分かってる。山井君たちなら、ここには来ないよ”

あらかた彼ははめられたのだろう。
なんとなくだけど、この様子で理解できた。

“はっ?”

“由貴が言ってた。`翔から、伝言預かったから詩音行ってこい’って”

しかも、本人たちはもう帰ってるしね。