“ご自由にどうぞ”


だから自分の名前は名乗らない。


“じゃあ、人魚姫”


彼の口からは、驚くべき単語が出てきた。


だって、人形姫にたいして人魚姫だよ?


だけど、ちょっと嬉しかったの。


彼と普通に話せたことが。


だからちょっとだけ、意地悪したの。


“じゃあ、直。表彰台で待ってるから”


自分が上がれるかもわかんないのにね。



この時決心したんだ。


絶対表彰台に登るんだって。