「なんか柚姫ちゃん…?だっけ?そのこがもう奏と別れたんで香織さん付き合っていいですよっていってきたからぁ」




柚姫……。


込みあがった感情。





「やっぱり奏はあたしを選んでくれたのね♪」






それはずっと視線を向け続けた香織におくられるものじゃない。






ずっとぬくもりをくれた……


柚姫のおくられるもの。





「ごめん!香織!俺…お前のこと好きだったけど、今は違う好きなやつがいるんだ。」




「え?誰、そいつ!」




「……柚姫。」




なんで気づかなかったんだろう。

こんなにも傍にいてくれたのに、



どうして気づかなかったんだろう。

一番愛をくれていたのに。




俺は香織に別れを告げ、

柚姫のもとへと走った。





お前を近くにおいておきたいのはおれのほうだ。